ブログを書くことは女の子と会話をするのに似てるような気がする
とある休日、知り合いの女の子と昼ごはんを食べようということになって。
「近くに最近できたエスニックの店があるんだよねー、行ってみたい!」
と言うので、その店に付き合うことに。
私は特にエスニック料理が好きというわけじゃないけれども、女の子って「エスニック好き」と言う子が多いような気がする。
私もそれに合わせてみようかと、機会がある度にパクチー料理を意識して注文したりするのだけれども、さほど美味しいとも思えず。
と言っても、あのカメムシの臭いのする草がとりわけ苦手とか嫌いとかいうほどでもないので、もう少しの間食べ続ければ好きになるのかな?
そんなことを考えつつ、その子の案内に従ってしばらく歩いて、店にたどり着いた。
ちょうど昼時にもかかわらず中はさほど混んでおらず、半分くらいの客入りだ。
少し小さめの木のテーブルに着いて、ランチメニューを見るとほとんどカレーばかりが並んでる。
エスニック料理の店と言えど、ランチにはカレーをメインに据えるというのは、いろいろ手間とか客の回転のことを考えれば当然だろう。
私はホウレン草のカレーが好きなので、「サグチキン」を注文することに。
そして辛いモノが好きな彼女のほうは、何だったか辛そうなメニューを選んだが、その名前は忘れてしまった。
いかにもそれらしい手作り風のエスニック感をふんだんに盛り込んだ店内にもかかわらず、完全な日本人の店員が注文を取りに来た。
カレーのランチセットを2つと、休日なので昼からビールを飲むことにして、それらをオーダー。
料理が出来上がるまでの間、といってもカレーだからさほど時間はかからないだろうが、しばらくビールを飲んで待つことに。
アレコレどうでもいい世間話のような内容の話をしていた私と彼女の間に、フッとした沈黙が訪れる。
気取ったフランス人なら「天使が通った」とか何とか言うのかも知れないが、私は骨の髄まで日本人なのでそんなことは言わないで、ただボンヤリと黙り込む。
ここだ。
こんなとき、女の子は言うのだ。
「ねぇ、何か面白い話して」
何だソレ?
私は噺家でも漫談師でもない、そんな「面白い話」なんて持ち合わせていないのである。
それでも何かないものかと頭を巡らせてみるのだけれども、けっきょく何も思い浮かばず、
「昔々、あるところに・・・」
と、言ってみた。
「・・・つまんない」
彼女は遠くを見るような目で、つぶやくように、あるいは何もかもが実はどうでもいいコトのように言った。
だから私は噺家でも漫談師でもないと・・・
「お待たせ致しました!」
カレーが来た・・・
ブログを書くのも、そんな女の子との会話に似ていると思う。
もちろん、読んでくれる人に「何か面白い話」を提供したいという気持ちはあるのだ。
でも面白い話なんてさほど持ち合わせていないし、日々の生活で面白い出来事なんてそうそう起きない。
読者登録をしてくれた人たち、そしてたまたま目を留めて訪れた人達からの声が、聞こえてくるような気がする。
「何か面白い話して」
その要求には答えることはできないかも知れないけれども、私は今日もノートパソコンに向かってキーボードに手をかける。
そうして、こんなどうでもいい記事を書き綴るしかないのだ。
そう、私の中に「何か面白い話」なんて無い。
といったところで、今回はいじょ!