日本版「Kindle Unlimited」の対象がこのラインナップなら電子書籍の売れ行きに影響は無いかな
「Kindle Unlimited」ってレンタルサービスだったんだ!
「Kindle Unlimited」が日本でもスタートしまして、とても興味深いシステムで使いようによっては利用価値も高そうだなと思いまして。
それで少し調べてみて、まず自分が勘違いしてたと分かったことは、「Kindle Unlimited」っていうのは“電子書籍の貸し出しサービス”だったんですね。
要するに、リアルの図書館やTSUTAYAなんかがやってる貸本の、ネット借り放題版といったところでしょう。
あまり考えもしないで“購入”できるものだと何となく思ってたんですが、手元に保存できる上限を10冊としてレンタルできるような仕組みになってるそうで。
つまり既に10冊レンタルしていて11冊目を読もうとしたときは、レンタル済みの10冊の中から1冊を削除してからもう1冊を借りるというような手順になるとのこと。
まぁ現実問題として「Unlimited(無制限)」に購入できるはずなんてなくて、デバイスに最大10冊までキープしておける定額読み放題サービスなんですね。
こういったサービスは分野を雑誌やコミックに限定したものを主としてこれまでにもありましたが、雑誌やコミックに加えて小説や実用書なども含め、しかも定額というのは私の知る限り初めてです。
映画やドラマなどの動画配信のジャンルでは、ご存知のようにすっかり一般的になったサービスではありますが、果たして本のジャンルではどのような流れになっていくのか?
そこが、興味深いところですが。
「Kindle Unlimited」が電子書籍に与える影響はあまり大きくない
「Kindle Unlimited」が電子書籍に与える影響は、あまり大きくないというか、変化が生まれるのは特定の一部だけではないかと思うわけです。
例えば「Kindle Unlimited」の登場によって、電子書籍全般の売り上げが落ちるという現象は起こらないんじゃないでしょうかね。
いゃむしろ、上がる部分もあるのではないかと。
というのもこの「Kindle Unlimited」に登録された本のラインナップを調べてみると、まず最新作や長期に渡って広く人気のある作品などは、ほとんど含まれていないようです。
つまり、ある期間人気があったけれども今はあまり売れなくなった本とか、発売から日数が経ってやや価値の下がった雑誌のバックナンバー、そしてあまり一般的ではない認知度の低い本。
あるいは読み捨てになりがちなアダルト(エロ)系の本とか、試し読み用としてシリーズの序盤だけ提供された本やコミックなんかがラインナップの主となってるようなんですね。
ですから最新本や現在話題になってる本をとにかく早く読みたい人、そしてシリーズ物を全巻そろえたいというような人は、やはり「Kindle Unlimited」で“レンタル”ではなくて別途“購入”をしなければならないわけです。
というわけで、これまで電子書籍を購入してた人は、「Kindle Unlimited」を利用しながらも、これまでとあまり変わらない程度に購入を続けるでしょうし。
さらには、これまで電子書籍を購入してこなかったような人でも、「Kindle Unlimited」の利用を始めたことによって、新たな購入層になる可能性も高いんじゃないでしょうかね。
そうなると、最も影響を被るのはやはり“アダルト(エロ)系の本”と思われ、これらは購入するよりもレンタルで十分とみなされて、その売り上げは大きく下がるのではないかと。
逆に売れるようになるのは、シリーズ物で読み始めると面白くてハマるものと、それからあまり一般的ではない認知度の低い本が発掘されて少し売れるという程度ですか。
例えば、個人出版的なものは普通にKindleに出してもほぼ売り上げは見込めないでしょうが、「Kindle Unlimited」に登録すれば少しはお金になるということも予想されますね。
おわりに
あと気になるのは、「Kindle Unlimited」と「dマガジン」等との戦いでしょう。
このへんはせめぎ合っていただいて、よりたくさんの種類の雑誌がレンタル購読できるようになると嬉しいなとか思ってますよ。
ともあれ利用する側としましては、既に電子書籍に慣れてる人もそうでない人も、本を読むのが好きな人は、「Kindle Unlimited」は利用価値が高いでしょう。
特に図書館に行くとテンションが上がるとか、ついいろんな本を借りて帰ってしまうという人には、うってつけのサービスと思われ。
すぐにでも“Kindle”などのタブレット端末を買って、「Kindle Unlimited」を利用することを薦めたいですね。
といったところで、今回はいじょ!