プラスのオーラを撒き散らしたい
某プロジェクトマネージャーの話
ずいぶん昔の話で、とあるプロジェクトに関わっていたときなんですが。
そのプロジェクトは、いわゆるデスマーチが鳴り響く暗黒のプロジェクトで、納期は近づけど進捗ははかどらずという中で、みんなが消耗していたんですね。
しかし、そのプロジェクトのマネージャというのがとてもできる人で、誰よりも忙しいはずなのに「忙しい」なんて言葉は一言も発することなく、いつも涼やかな笑顔で仕事をしてまして。
どうにもならないスケジュールをどうにかこうにか調整しつつ、みんなの状況を漏れの無いようヒアリングして作業の割り振りなどを的確にこなしてました。
私を含めてみんな疲れてヘトヘトになってるときでも、そのプロマネと話をすると、希望が湧くというほどではないんですが、何となく気持ちがほぐれるような気分になるようで。
「辛くても頑張ろう」という思いになれたんじゃないかなと思います。
いわゆる、まわりにプラスのオーラを振りまくタイプの人だったんですね。
某リーダーの話
一方で、そのとき私の直のリーダーだった人につきまして。
いまさら悪口みたいでアレなんですが事実として書かせて頂きますと、小太りで細ぶち眼鏡の彼は、いつも眠そうな顔をしてため息をつくことが多い人で。
PCに向かいつつ独り言でブツブツと文句を言って、用事があって話しかけると面倒くさそうに答えるような感じの、少し近寄りがたい様子だったんですね。
もちろん周りの人もみんな疲れてるんで、やはり表情は暗めで決して機嫌の良い状態ではなかったんですが。
そんな人達も自分のことを棚に上げて、チョット避けたがるような印象の人でした。
そうして、みんなとのコミュニケーションも少なくなっていく中でで、なおさらストレスが溜まるようで、日に日に不機嫌さを増してるような様子も感じられ。
こちらはいわゆる、まわりにマイナスのオーラを振りまくタイプの人だったんですね。
2人の違い
私も当時は仕事のことで頭が一杯で考えもしなかったんですが、後になって思い返すことがあって、いったいこの2人の何が違ったんだろうなとか考えたりしました。
それぞれの個性ってヤツじゃない?とか言えば、その通りでミもフタも無いんですが。
それだけじゃなくて、ものの考え方とか行動とかによる点も、ヤッパリあるんじゃないかなと。
つまりプロマネのほうは、普段の立ち姿からして背筋を伸ばしてスッとしてたし、表情もいつも柔和で涼しげでした。
そして話す言葉も、何かを改善するための方法だとか、物事を進めさせるための手段だとか、前向きな話が多かったように思います。
それに反してリーダーのほうは、背中を丸めて不機嫌そうな顔をして、口からは不平や文句しか出てこなかったように憶えています。
私は、“プラス思考”とか“ポジティブシンキング”なんていう言葉には胡散臭さを感じてあまり好きではないんですが。
けっきょく、そういった体や心の姿勢ってのが、けっこう大事なんじゃないかなと思うわけです。
おわりに
そのプロジェクトは、どうにかこうにか苦労の末に終了したんですが、残念ながら最終的にコストの面であまり成功とは言えない結末を迎えました。
そして、小太り細ぶち眼鏡のリーダーは体調を悪くしたとかでしばらく休職した末に、結局そのままナゼか退職したそうです。
私はといえば、ときどきそのときのプロマネのことを思い出して、鏡の前で背筋を伸ばして涼しげで柔和な顔をしてみようとしたりしてますが。
どうも、あまりうまくいきません。
といったところで、今回はいじょ!