舌先だけで一瞬にして人をムカつかせる簡単な方法
ナゼこんな小さな音で人は激怒してしまうのか?
どうしてこんなチョットしたことで、人はいきなりムカッとしてしまうのでしょう。
それは、ほんの小さな音にしか過ぎないのに。
「チッ」
これです。
つまりアナタもよくご存知の、舌打ちってヤツですね。
ただ育ててやりたいという親心で、部下の至らない点を注意をしたというのに。
その部下が去り際に「チッ」と小さく舌打ちをしたのと聞いたとたんに、アナタの親心はどこかに消し飛んでしまうでしょう。
すれ違うときに肩がぶつかって、悪いのはお互い様とはいえコチラから「すみません」と会釈したとき。
相手が顔も見ないで「チッ」とやって立ち去ったとき、アナタの謙虚な心はドコかへ行ってしまって、ムカムカと怒りが湧いてくるでしょう。
面と向かっての反論や抗議なら、こんな感情は生まれないはずなのに。
ほんの一瞬の小さな音で、なぜ人はこうもムカついてしまうんでしょうね?
気の毒な癖
以前、私が働いていた職場に、やや年配のAさん(仮)という人がいました。
Aさんにはチョットした妙な癖がありまして、しゃべるときにときどき「チッ」と口を鳴らすんですね。
よく注意して見てみると、それは舌打ちじゃなくて、唇を小さく鳴らしていると分かるんですが。
注意しないとやはり舌打ちにしか聞こえなくて、周りの人にも「何か怒ってるみたい」と誤解されることのある、困った癖でした。
ある日、Aさんが飲み屋で同僚と楽しく飲んでいたとき、後ろに座っていた若者の肘が背中に当たったんだそうです。
その若者は「あっすみません!」とすぐに謝ってきて、Aさんも別に痛いわけでもなかったので「いえ、大丈夫です」と答えまして。
その場で、お互いに何の遺恨も無く終わるはずだったんですね。
ところが、まずいことにその直後に、同僚との話しに戻ったAさんは例の「チッ」ってのをやってしまったんですよ。
Aさんは完全に無意識だったんですが、その音が耳に入ってしまった若者は、酒が入っていたせいもあって激高してしまったんです。
若者はいきなりAさんの肩をつかんで、「おいコラ!今のは何だ!」と凄い形相。
Aさんは身におぼえが無いから、何が何だか分からずアタフタしてしまったんですが、なかなか誤解が解けずにあわやボコられるかという所までもめたんだそうですよ。
けっきょくその妙な癖のせいで、Aさんは悪気も無かったのに平謝りに謝って、楽しい歓談の席もスッカリしらけてしまって帰途に着いたとのこと。
ほんと、他愛も無い癖のせいで、とても気の毒な話です。
おわりに
誰に教わるわけでもないのに、舌打ちってのはナゼこうも私達の心を逆なでしてしまうんでしょうね。
それが何の悪意も反感も無い、ただの癖だったとしても、やはり聞いたほうはムカッとくるのが不思議です。
これが万国共通なら、人間の習性的なモノかとも思えるんですが、国や文化によって舌打ちってのはその意味や印象が違うそうで。
ということは、おそらく日常生活の中で知らない内に心に刷り込まれた、世界に誇れない残念な日本の文化の1つということになるんでしょう。
アナタも、つい舌打ちしたりしてませんか?
できれば、気に入らないことや意に沿わないことがあっても、舌打ちなんかしないで、ハッキリと言葉で表現できるようになりたいものですね。
といったところで、今回はいじょ!